今回は僕が家庭教師で担当した生徒のお話しさせて頂きます。
結果として、現在中学3年生の彼は、海外大学を志望するほど英語が好きに。
しかし、初めの彼の英語の成績はお世辞にも良いとは言えませんでした。
典型的な英語嫌いの生徒という感じで、
「自分には英語の才能がないから無理だ」
というのが口癖でした。
自分には英語の才能がないんだ
その度に僕が言ったのが
「英語ほど才能が関係ない科目はない」
ということでした。
英語だけはやり方を間違えなければどんな人でも得意になることができる。
これは僕がいつも感じていることでした。
というのも僕自身最初は英語が苦手で、英検4級に落ちるほどでした。(中学生の時の話なので悪しからず笑)
しかし今ではTOEIC915点まで伸ばすことができましたし、「英語力の強み」というものを実感しています。
僕は生徒に「英語力という強みを手にしてもらいたい」と考えていました。
なぜなら日本では英語ができるということが、大学受験や就活など、非常に多くの場面で武器になるからです。
もちろん英語の楽しさを知ってほしいという思いもありましたが、生徒に「英語」という社会で生きていく上での、武器を身につけて頂くことが、家庭教師の使命の1つと感じていました。
では英語が苦手だった彼が、どうやって英語嫌いを克服したのか。
現在、英語が苦手な方や、英語嫌いのお子さんを持つ方にも参考になればと思い、シェアさせて頂きます。
序章〜 This is が書けない
現在英語を勉強されている方々は、そんなことあるのか!?と感じるかもしれません。
しかし初めは「This is 」が書けない、意味もわからないという状態でした。
This is ?
でも最初はみんなそんな状態からスタートですよね。
なのでその状況については特段問題に感じていませんでした。
私が一番問題に感じたのは、英語への異様な苦手意識です。
英語嫌いの方に多いのですが、実際の英語の難しさよりも、遥かに難しく英語を捉えてしまって居る状態です。
「英語ほど才能が関係ない科目はない」と申しましたが、しかしまた「英語ほど最初の壁が厚い科目もない」というのも事実だと思います。
ではなぜこの異様な苦手意識が生じて居るのでしょうか?
まず第一に、英語だけ他の科目と勉強の方法が違いすぎる、ということがあります。
英語学習というのは本来、言語学習であるため、数学、社会、理科などと学習方法が大きく異なります。
しかし中学では5教科という言い方で、一緒くたにされるため、英語1科目だけが異様に難しく見えます。
加えて、小学校ではあくまで遊び程度の授業でしか、英語に触れていないため、急に中学で出現した英語というものに必要以上に恐怖を感じます。
しかも、初めは単語1つ1つの意味が分からない状態なので、どこから手をつけていいか分からず結果、英語が苦手科目として中学生の間に君臨しています。
1章〜とにかく単語を覚える
英語苦手を改善するために、私がまず生徒にしてもらおうと考えたのが、基本的な単語を覚えるということです。
私自身、単語帳をやり込んだだけで英語力が飛躍的に向上した経験があります。
また英語を難しく感じる原因の1つに、英単語が全く分からないため、全ての文章が意味不明に感じてしまう、ということがあります。
確かに「This」の意味や、「I」の意味が分からない状態で、勉強を進めても、かなり非効率ですよね。
そこでまずよく出てくるような基本的な単語を押さえてもらうようにしました。
そこで意識して頂いたのが、記憶法です。
こちらの記事でも紹介しましたが、正しい記憶法を使えば非常に効率的に単語を覚えることができます。
記憶法のやり方を詳しく説明した後、宿題として単語を覚えてもらうように指示してその日の授業は終了しました。
まずは単語を覚えよう!
記憶法はこんな感じで、宿題を出すのでやっておいてね!
そして次の授業の際、単語を覚えれたか聞くと
単語覚えれたかな?
ちょっとまだ覚えれてなくて、
そっか!
期間短かったしね!
じゃあ次までに覚えてもらえるかな
そして次の授業の際、単語を覚えれたか聞くと
単語覚えれたかな?
もう少しだけ時間をもらえますか、
分かった!
単語覚えればその後の勉強がすごく楽になるから頑張って!
単語は、、、覚えてなさそうだな、、
ここで私は気づきました、単語を覚えるという行為が、めちゃくちゃ地味でつまらないことに。
単語を覚えるという作業は想像以上につまらなく、成果が見えづらいです。
英語学習を続けている方は、単語を覚えることの効果の大きさを理解しているので、多少の辛さも我慢出来るでしょう。
しかし、英語を勉強したての中学生からすると非常に苦痛だったと気づきました。
単語が入ってない状態で、いかに英語を好きになってもらうか?
この難しい問題に答えを出してくれたのが、SVOC、すなわち5文型を教えるということでした。
2章〜SVOCで大逆転!
中学校では多くの学校で、5文型(SVOCなど)を教えません。
中には塾で中学生に5文型を教えるのはNGにされているという話も聞きます。
これがより、英語学習の難解さに拍車をかけて居ると感じます。
5文型が分からない状態で、現在完了形、受動態、関係代名詞などやたら難解な日本語が出てくるため、一気に脱落してしまう人も多いでしょう。
なぜ5文型を学習することが効果的なのか?
それは英語の構造が日本語と大きく異なるためです。
そのため、英文の構造を理解できるようになることが、英語学習においては必須かつ、非常に有効だと感じます。
多くの方が勉強の際にやってしまいがちなミスが、一個一個の文法を全部覚えようとすることです。
このやり方だと覚えることが多過ぎて、英語に苦手意識を持ってしまいます。
5文型を勉強すると英語をパズルのように組み立てることができるようになります。
たった5つの文型をマスターすることで、英語をパズルみたいに理解できるんです!
なぜその部分を重点的に抑えないのかは、非常に疑問です。
学校などでは、5文型は軽く形式を教えられるくらいで、しっかりと「使いこなせるレベル」まで感覚的に理解できている人は少ないです。
では5文型を使いこなせるようになり、パズルのように英文を理解するには、何をすれば良いのでしょうか?
5文型を使いこなし、自分の物にするための方法として、非常に有効なのが「精読」です。
精読とは英文をじっくりと分析しながら読んでいく行為です。
つまり、英文を構造を分解しながら、文の要素を明確にして理解していくことです。
多読が英文を大量に読んでいく行為なのに対し、精読は英文の構造を分析しながらじっくり読んでいく行為です。
5文型を意識しながら精読を繰り返し行っていくと、ある時英語が急激に簡単に見えるようになります。
そこで僕が生徒に行ってもらったのは、英文に線を引き、その下に、S、V、O、Cなどと書いてもらうことでした。
英文の下に線を引いて、SVOCみたいに要素を書き込むようにしよう!
最初のうちは正しい要素に分解するのが難しかったが、繰り返すうちに英語を構造でとらえることが出来るようになりました。
その頃には自然と単語数も上昇しており、気づけば、英語は意外と簡単だというのが口癖になりました。
英語って実は簡単ですよね!
SVOCのいいところは、全ての文法の土台となるところです。
もちろん、関係代名詞などの説明は必要だが、そもそも5文型の理解なしに関係代名詞などを個別に理解させようとしているのが不自然なのです。
実際にTOEICパート7に対して精読を行った様子をお見せします。
こんな感じのイメージですね。
英語が苦手な方や、苦手なお子さんを持つ方は、ぜひ常にSVOCを意識して、英文を読むよう意識して頂きたいです。
こんな簡単なこと?と思うかもしれませんが、実は答えは意外とシンプルなんです。
そしてシンプルな方法こそ実際に実践しやすく効果が出やすいです。
とはいえ、シンプルな方法ほど、「こんな簡単な方法、対して効果はないだろう笑」と決めつけて、意外と誰もやりません。
ぜひ騙されたと思って、SVOCで英文を分解する癖をつけてみましょう。
気づけば英文が、パズルのように解読できるようになるはずです。
終章〜海外大を目指すほど英語好きに
コンコン
「失礼します。」
部屋に入ると、彼は英語のニュースをテレビで見て居るところでした。
テレビを消して授業に移ります。
最近は英語のニュースとかも見てるんですよね!
彼は嬉しそうに話します。
あんなに英語が苦手だった頃から考えると自分で率先して英語のニュースまで見るようになったのは驚きです。
betterとかの「t」って「r」みたいに発音されること多いですよね
そんな高度な話までするように笑
今では海外の大学に行きたいという夢から、高校のうちにIELTSを何点とるなどの目標を語ってくれます。
もちろん実際の夢が実現されるには多くの困難があるでしょうが、家庭教師として彼の人生に少しでも良い影響が与えられていれば、こんなに嬉しいことはありません。
またSVOCという一見するとシンプルな方法が持つ力を実感しました。
もし、英語は才能だろう感じて居る方いたらぜひ、SVOCと精読という方法を試してみてほしいです。
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