TOEICのスコアを最短で上げようとした時に、とても重要なのが、勉強する優先順位をつけることです。
同じ勉強時間でも、スコアが伸びる人と、伸びない人に分かれてしまうのは、勉強する順番が効率的かどうかが関係しています。
今回は、僕が短期間で高得点を取得した経験や、家庭教師の経験、友人への指導の経験も踏まえ、スコアを効率的にアップさせるために効果的な勉強の順番を解説したいと思います。
TOEICを始めたてで、何から勉強したらいいか分からない方はぜひ参考にしてみてください。
優先順位
優先順位は次のようになります。
①基礎(英文法、英単語、長文)
②TOEIC単語
③発音記号
④TOEIC Part別対策
⑤模試
まずイメージして欲しいのは、英語力というのがピラミッドのように積み上がっていくものだということです。
TOEICを始めようとして、土台となる文法力や単語力がない状態で、いきなり模試を解きまくったり、「TOEIC 高得点 裏技」のように検索して、技術を入れようとしてしまう方がいます。
こういう方は最初のうちは得点が伸びやすいのですが、後半に行くにつれて得点が伸び悩みます。
また基礎がない状態で模試などを解いても分からない部分が多すぎて挫折してしまったり、かなり効率が悪いです。
そこで優先順位の1番目として、まず土台となる、英文法や英単語、長文力をしっかりとつけましょう。
①基礎(英文法、単語、長文)
高校までの英語にほとんど苦手がない方は、特に気にせず次に進んでくださって大丈夫です。
英文法や、英単語がさっぱりという方は、簡単な文法書でもいいので、文法書と英単語を一冊完璧にしましょう。
厳しいことを言いますと、例えば現在進行形が分からない、過去形が分からない、という状態でTOEICに挑もうとするのは無謀です。
ある程度基礎をつけてからTOEICの勉強法に移りましょう。
英文法はとりあえず中学まででOK
この時ポイントは「英文法に関しては中学英文法まででいいですよ」ということです。
point1
英文法は中学英文法まで完璧にしよう!
もちろん高校英文法までやっていただいた方が、より良いのですが、高校英文法を完璧にマスターしようとすると、かなりの時間がかかります。
また仮定法の倒置など、正直勉強する優先順位が低いような文法事項も多く含まれています。
そこで短期間でスコアを上げる必要がある方は、とりあえず中学英文法を完璧にすることを目指しましょう!
中学英文法に関しては、なんでも良いのですが、できるだけ挫折しにくい、薄めの参考書がお勧めです。
英単語は高校までやろう
ポイントの2つめは英単語に関しては高校までやりましょうということです。
point2
英単語は高校の範囲まで完璧にしよう!
TOEICに必要な語彙数はスコアによって違います。
詳しくは下の記事で解説してますが、500点を獲得するのに必要な語彙数が、高校卒業するまでに習得する語彙数とほぼ同じくらいと言われています。
そのため、高校までの英単語を完璧にすることは、500点以上を目指す上で必須となってきます。
単語帳に関しては、有名なシステム英単語などを完璧にして頂ければ問題ないかと思います。
単語の覚え方に関しては、「【英単語が覚えられないのは記憶のメカニズムを理解してないから!?】TOEICスコアを爆上げする記憶法」の記事を参考にしてみてください。
②TOEIC単語
優先順位の2番目としてはTOEIC用の単語をマスターすることです。
TOEICにはビジネス単語のような、高校まででは習わなかった英単語が出題されます。
これらを最初にマスターするのは、その後の英文法や長文、模試の勉強を効率的にする意味でも非常に重要です。
また英単語というのは、リスニング、リーディング両方のスコアに関係してくるため、最初に勉強することで、全体のスコアの底上げにとても効果的です。
単語帳としては有名な「金フレ」か「TOEIC TEST英単語出るとこだけ! 得点に直結する最重要630語」という教材がお勧めです。
金フレは非常に有名な単語帳で多くのTOEIC受験者が使っています。
著者のTEX加藤氏はTOEICで満点を100回以上取得されていることでも有名です。
ただもう少し量が少ない単語帳がいいという方には、「TOEIC TEST英単語出るとこだけ! 得点に直結する最重要630語」がオススメです。
単語数が630と少ないので、短期間で効率的に点数を伸ばせます。
単語が少ないとスコアがあまり伸びないのでは?
と不安な方は安心してください。
僕はこの単語帳で860点獲得できたので、この単語帳でも十分高得点が可能です。
単語の覚え方に関しては、先ほどの「【英単語が覚えられないのは記憶のメカニズムを理解してないから!?】TOEICスコアを爆上げする記憶法」の記事を参考にしてみてください。
③発音記号
次にすべきことは発音記号を勉強することです。
多くの人はいきなりTOEICの問題集や模試を始めてしまいますが、その前に発音記号を勉強するのがオススメです。
理由はリスニングスコア伸び方が段違いに変わるからです。
なぜ発音記号を勉強すべきか
発音記号とは英語の発音の仕方を表す記号のことです。
[tʃ]みたいな記号に見覚えのある方もいると思います。
日本の英語教育では軽視されがちですが、リスニング力向上には発音記号の習得が不可欠です。
理由は英語と日本語では発音の仕方が異なるからです。
英語と日本語は発音の仕方が違う!
例えば「the」という単語を単に「ザ」と発音する方が多いですよね。
しかしこの発音は正確には「ðə」と言う発音記号です。
日本語の発音で代用している状態だと、TOEICのように早い会話や、実際の会話では理解が追いつかず聞き取れなくなってしまいます。
発音記号は46種類ほどと数も少ないので、最初にマスターしてしまうのがオススメです。
僕はリスニングがめちゃくちゃ苦手でしたが、発音記号を勉強したおかげで飛躍的にスコアが伸びました。
オススメの参考書は「英語耳」です。
またこちらの記事も参考にしてみてください。
④TOEIC Part別対策
基礎ができたらいきなり模試を解きまくるのではなく、「TOEIC 直前の技術」という教材を使って、各 Partの解き方を理解しましょう。
TOEICはPartごとに問題がかなり異なります。
この参考書では、各Partで高得点を取るための解き方やテクニックを身につけることができます。
また高得点を効率よく獲得できるように参考書が設計されており、参考書を最初から進めていくだけで、優先順位の高いPartから効率よくテクニックを習得できます。
「直前の技術」でも解説されていますが、各Partの優先順位は以下のようになっています。
Part2
Part5
Part6
Part3
Part4
Part7
Part1
これはなかなか理にかなっている順序だと思います。
著者のロバート・ヒルキ氏は大企業向けに語学講座を年間225日も行い、TOEIC関連書籍も90冊以上出版するなど、非常に有名な教育学者で、長年の指導経験から、この順序が最も効率的だという結論を出しています。
この教材を買わない場合でも、この順序を意識して勉強するだけでかなり効率的にスコアを伸ばすことができます。
各Partの解き方やコツに関しては「【TOEIC915慶應生が解説!】TOEICPart別のコツまとめ」の記事でも解説しているので参考にしてください。
⑤模試
テクニックを身につけたら、あとは実際の試験で使えるよう、模試を解きまくることで、テクニックを自分のものにします。
模試としてはTOEICの公式問題集などを用いて頂ければいいかと思います。
この時ポイントは4つあります。
Point1 リスニング、リーディングを分けて解かない
模試は1回2時間と分量も多いので、リスニングとリーディングを分けて解きたくなる人も多いでしょう。
しかし実際の試験では2時間集中力を維持することが求められます。
集中力を鍛える練習だと思って、しっかりと全部通して模試を行うようにしましょう。
Point2 先読みを身につける
もうひとつ重要なポイントとして「先読み」を身につけることがあります。
先読みというのは、会話文が読まれる前に、聞かれる設問についてみておくという技術です。
TOEICのリスニングのPart3と4に必須の技術となります。
なぜこの技術が重要かというと、TOEICのリスニングではPart3と4で69問(100問中)を占めるため、ここの点数を上げないとスコアが伸び悩んでしますからです。
加えて先読みを身につけると、スコアが顕著に向上します。
ただ、慣れが必要な技術なので、模試を繰り返し解く中で身につけてください。
先読みについては、「【先読み苦手な人必見!】僕が2ヶ月で860点取れたのはこうやって先読みしたからだ!」の記事でも解説しています。
Point3 復習が超重要!
模試を解いて満足するのではなく、復習こそ本番!くらいの気持ちで、復習を行いましょう。
復習をどれだけしっかり行えるかによってスコアの伸び方は大きく変わります。
復習については「【スコアが上がらないあなたに】TOEIC900点を超えるための復習メソッドを解説」で解説しています。
Point4 リスニングを重点的にやる
模試はリスニングパートとリーディングパートを分けて解かないということをオススメしましたが、復習に関しては、最初のうちはリスニングに力を入れるのがオススメです。
理由はリスニングスコアの方が比較的点数が伸びやすいからです。
次のグラフを見てください。
(参照 https://www.iibc-global.org/library/default/toeic/official_data/pdf/DAA.pdf)
このグラフでは、濃い青がリスニング、薄い青がリーディングとなっていますので、リスニングの方が30%も平均スコアが高くなっています。
TOEICのリーディングは問題数がかなり多く解き終わらない人も多いです。
対してリスニングは、慣れさえすればかなり高得点を狙えます。
最初のうちはリスニングに力を入れることで、スコアの伸びが実感しやすくなります。